HP OPEN 本戦第六日目 大会レポート 

本日も晴天に恵まれた靭テニスセンター。いよいよ大会は大詰めに。

第一試合は、第二シードのマリオン・バルトリ選手(フランス)とタマリネ・タナスガン選手(タイ)との戦い。予想ではどう見てもバルトリ選手のパワーとスピードに勝利かと思った。始めてみると、いつの間にかタナスガン選手がリード。第一セットは6-2。第二セットはバルトリ選手の挽回を期待しながらゲームは進むが、どうも勢いが無い。サーブキープを繰り返し5-5に。タナスガン選手は着実にストロークを重ねながら、バルトリ選手を押し切った。

「見習え、若者らよ!!」

さて、第二試合。昨日の興奮が残るセンターコートに、クルム伊達公子選手(エステティックTBC)とシャハー・ピアー選手(イスラエル)が登場。二時を経過してゲームはスタート。ピアー選手と言えばとにかくしぶといプレイスタイルだ。

ピアー選手からサーブ。昨日の疲れが残っているのかクルム伊達選手はアウトを連発して、3-0でリードされる。しかし、この辺りからクルム伊達選手は少しリズムを戻す。3-1に。ピアー選手のサーブでデュースを5回繰り返したが1-4とリードされる。ここからゲームを3-5としたが、6-3でピアー選手がセットを先取した。

第二セット。クルム伊達選手からのサーブだが、ポイントを取れずあっさりと0-1。次のピアー選手は、サーブをキープして2-0リード。三ゲーム目はクルム伊達選手が取って1-2に。そして、2-2に。ここからクルム伊達選手はサーブゲームで気合を入れる。今度はポイントを与えずに3-2でリード。ピアー選手もサーブキープして3-3。ゲームの進みと流れは変わらず、どよめきが続くほどのストロークの応酬が続く。何度もゲームを失いかけるクルム伊達選手だが、観客の期待を裏切らずに頑張ってくれる。ついに、クルム伊達選手が6-5でリード。しかし、ピアー選手はしつこくゲームを守る。スーパーショットを連発して6-6になり、タイブレークに入る。横の席で観戦されている井澤金属社長が「力が湧いてくる」とポイントに見入る。クルム伊達選手からのカウント。まず、クルム伊達選手のサーブから。01,02,12,13,23,33と並べる。そして、34,44,45。もう息が詰まる。55。ここでクルム伊達選手は「カモン!」とガッツポーズ。効いたのか65,75でほぼ満席の観客は総立ちに。7-6でクルム伊達選手に。

メディカルタイムアウトを取るクルム伊達選手に観客は不安を隠せない。
いよいよファイナルセット。ピアー選手はサーブキープして、1-0。だが、何故かこのゲームの最初のポイントでクルム伊達選手から笑顔が。次のゲームでクルム伊達選手の15-30でドロップショットが決まり30-30に。デュースの末1-1。次はピアー選手が取って2-1に。
センターコートのライトが点灯。明るくなったコートに涼しい風が吹き寄せ、ニューボール。クルム伊達選手のボールはするするとアッと言うようにネットを低く越えていく。クルム伊達選手は元気に、2-2にする。ピアー選手のサーブをストレートで奪取して、3-2、クルム伊達選手。次のゲームは激しすぎるほど両者に過酷なラリーの応酬だった。最後のポイントのボールに届ききれずに3-3。
しかし、チェンジエンドしたクルム伊達選手に、迷いが無いと思われるほどのすっきりとした横顔を見た。ピアー選手のサーブを破り4-3でクルム伊達選手。このままリードするかと思わせたが、さすが世界のトップ20に入るピアー選手。コーチのアドバイスが効いたのか、自信ありげに果敢に攻めてくる。ネットに引き出したピアー選手をパスできると思ったがボールはネットして憐れむことなく4-4に。観客は空を見上げてしまう。ピアー選手のサーブかコートに突き刺さる。クルム伊達選手のダウンザラインのリターンはラインを割ってしまい4-5とリードされる。
次のゲームで40-30としたところ、ピアー選手の左右に揺さぶるボールがクロス深くに食い込みデュースになるかと思ったところに、昨夜のストーサ選手にダメージを与えたクロスのカウンターアタックが、角度をつけてピアー選手のコートを逆襲して5-5。極限の疲労を忘れたのかクルム伊達選手は冷静だ。必死に勝利を信じるピアー選手のサーブゲームをデュースの末、バックボレーで6-5に。観客席からの拍手が鳴りやまない。いたわりと、期待と、さあ、ゲームフォザマッチだ。クルム伊達選手のサーブ。「見守ろう」と思う気持ちが観客席に連帯しているような雰囲気がコロシアムになったセンターコートを深く包みこむ。だが、そうは容易に進まないのがゲームと言うもの。15-0,15-15,30-15,30-30,30-40,もう追いつかれるかと思いきやデュースに。サーブエースでアドバンテージクルム伊達選手。そして、ついにゲームを手中にした。2時間58分のドラマだった。
昨夜に続く感動が靭テニスセンターに響き渡る。

「テニスゲームにベテランというカテゴリーは必要なのか?」と言いたくなるぐらい血が騒ぐのは浪速っ子だからか!!

2010年10月16日
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